令和4年度第37回奨励賞 謝辞 静岡市立川原小学校 校長 寺尾 祥訓

研究主題「特別支援教育の専門性を、学校全体のユニバーサルデザイン意識の向上につなげる校内体制の構築

~特別支援教育担当グループからの取組による教員のUD意識の変化~」

 

 

 本日は、第37回はごろも教育研究奨励賞を賜り、誠にありがとうございます。受賞者を代表いたしまして、一言お礼の言葉を申し上げます。

 ただ今は、はごろも教育研究奨励会理事長 後藤康雄様、県教育長 池上重弘様をはじめ、多くの皆様のご臨席のもと、栄えある「はごろも教育研究奨励賞」を賜りましたこと、心から感謝申し上げます。また、お祝いや励ましのお言葉を賜りまして、誠に身に余る光栄でございます。

 この12月に、文部科学省から「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」が出されました。小中学校では8.8%の児童生徒が、「知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示す」という結果でした。10年前の調査では6.5%でしたが、児童生徒数が減り続けている中でのこの結果です。とは言え、全国的な教員の欠員問題もあり、人を配置することも難しい状況です。全ての教師が発達障害の特性を踏まえた学級経営や授業づくりを進める必要があります。言い換えれば、学級の全ての子供たちの学びやすい環境づくりを進めなければいけないということです。

 本校では、特別支援教育の高い専門性を有する教員を中心に、授業や生活のユニバーサルデザインにつながる通常学級担任の技を共有し合いながら、学校全体のユニバーサルデザインへの意識を高め、子供たちの「学びやすい環境づくり」につなげる研究に取り組みました。研究の中で最も重視したのは、ユニバーサルデザインにつながる技の見える化です。技を見える化することで、教師のどのような動きが子供たちの学びやすさにつながるのかを共有できると考えたのです。研究授業では、通級指導教室担当教員と特別支援学級担任が授業映像をもとに学級担任の技とその効果を全職員に解説しました。また、研修だよりでは、授業者のユニバーサルデザイン意識を高めるとともに、技の共有にもつなげました。学校HPでは、学級担任の技を積極的に発信しました。これらの取組により、子供たちの考え方や思い、発達段階に合わせたユニバーサルデザインにつながる技が共有され、学校全体の教育力の向上につながっていると感じます。学校評価のアンケートでは、「先生の話や授業はわかりやすい」と答えた児童が94%でした。今では、「教師自身がユニバーサルデザインであることが最も重要である」という共通認識の中で教育活動が進められています。会議の場で「本校の強みはユニバーサルデザイン」という言葉がしばしば出される職員集団であることを、校長として大いに誇りに思います。今後も子供たちの「わかる」「できる」につながる授業づくりをめざして研究を進める決意です。

 今回「はごろも教育研究奨励賞」に応募した各校、各教職員は、教育の専門家としての力量を高めるために、研究と修養を重ね、日頃の実践を論文としてまとめましたが、これからも園児・児童・生徒の輝く未来のために、真摯に教育活動に取り組んでまいります。

 感謝の意は十分尽くせませんが、後藤理事長様をはじめ「はごろも教育研究奨励会」のますますのご発展を祈念して、お礼の言葉といたします。

 本日は誠にありがとうございました。

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