令和5年度第23回助成賞 受賞の喜び 富士宮市立富士根南小学校 校長 風間裕之

第23回はごろも教育研究助成賞を受賞するにあたり、受賞者を代表してお礼の言葉を申し上げます。

 この度は、「はごろも教育研究奨励会」理事長 後藤康雄様より栄えある賞をいただき、受賞者一同、身に余る光栄に存じます。また、静岡県教育委員会教育長 池上重弘様をはじめ、御来賓の皆様の御臨席を賜り、お祝いの言葉をいただきましたことに、深く感謝申し上げます。今、喜びとともに、その責任と使命の重さに身の引き締まる思いです。

 さて、本年5月に新型コロナウイルス感染症が5類の扱いとなったことで、これまで制限された教育活動がようやくコロナ前のレベルで実施できるようになってまいりました。本校でも家庭科の調理実習や音楽の合唱・楽器の演奏などの授業、地域にある交番や郵便局の訪問等、実体験や人とのつながりを大切にした学習活動を進めています。ここ数年希薄になっていた、多くの他者との交流や五感で感じる実体験は、時に感動を伴い、資質・能力を育む学びに必要不可欠なものであると考えています。一方、最近のニュースで報じられる、世界情勢に関わる諸問題やチャットAIの技術進歩等、子供たちがこれから生きていく未来の世界を現状から予想することは、ますます難しくなってきました。様々な課題、社会の変化に対応する「令和の日本型学校教育」の構築は待ったなしの状況です。

 昨年12月に中央教育審議会から出された答申では、これからの教員の学びの在り方として、子供たちに求めている主体的・対話的で深い学びを教員自らが実現していく必要があること、また、教員が自律的に研修を深める研修観の転換が必要であることが示されました。子供たちが資質・能力を育むためには、教員一人一人が主体的・自発的に子供の資質・能力を育む研究を推進することが何より重要であると言えます。

 本校は、千人近くの子供たちが登校する大規模校ですが、それだけ多様性に富んだ学校ということもできます。多様であることのメリットを生かし、子供一人一人が判断力を高め、それを仲間と共に責任ある活動として具現化する営みの中で、親和的な自治的集団を育てることを学校経営の柱としています。ここ数年間の積み重ねにより、子供たちが自主的、自律的に自分たちの課題に取り組む姿が増え、本校の教員の主体性・自律性の高まりも感じているところです。本年度は、「人とのかかわりを深める特別活動の充実」を研究課題に、PDCAサイクルによるマネジメント的なアプローチにより、「よりよい学級、学年、学校づくりへの参画意識を高める」こと、そして、「よりよい判断から、責任ある行動、協働」の実現に向けた取り組みを推進していきます。今回の受賞を契機に、更に教員の研修意欲の向上、そして、未来を生きる子供たちの資質・能力の育成にむけて取り組んでいきたいと考えます。

 結びに、受賞したすべての学校・団体が、これまで以上に研鑽を積み、研究成果が県内各校の研究活動の充実に資するよう努めることをお約束します。また、県内各校・各教職員の主体的な研究を支えるにとどまらず、ひいては本県が掲げる「有徳の人」づくりのために御尽力くださるはごろも教育研究奨励会の益々の御発展を祈念申し上げ、お礼の言葉といたします。

令和5年7月13日

受賞者代表 富士宮市立富士根南小学校 校長 風間 裕之

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