第22回助成賞 受賞の喜び 静岡県立藤枝特別支援学校 校長 山田伸代

「ともに学び、力強く活動する人を育てる」

 

「第22回はごろも教育研究助成賞」を受賞するにあたり、受賞者を代表してお礼の言葉を申し上げます。

この度は、「はごろも教育研究奨励会」理事長 後藤康雄様より栄えある賞をいただき、受賞者一同、身に余る光栄に存じます。また、静岡県教育委員会教育長 池上重弘様をはじめ、御来賓の皆様の御臨席を賜り、お祝いの言葉をいただきましたことに、深く感謝申し上げます。今、喜びとともに、その責任と使命の重さに身の引き締まる思いです。

さて、特別支援学校学習指導要領総則には、学習評価の充実について新たに項目が設けられています。学習評価は、学校における教育活動に関し、児童生徒の学習状況を評価するものです。

知的障害のある児童生徒の指導については、その学習上の特性から「実際の生活場面に即しながら、繰り返して学習することにより、必要な知識や技能等を身に付けられるようにする継続的、段階的な指導が重要となる」と学習指導要領に示されています。障害の状態や経験等に応じて、特に必要があるときは、各教科等の目標及び内容の全部又は一部を合わせて指導を行うことができるとなっています。

知的障害のある児童生徒の教育を行う特別支援学校では、「各教科等を合わせた指導」である「日常生活の指導」「遊びの指導」「生活単元学習」や「作業学習」が教育課程の中心となっており、国語や算数・数学などの各教科の目標を拠り所とした評価の観点による学習評価の必要性が指摘されている今、これまで以上に指導者が各教科等の内容を理解しておくことが重要です。

本校においても、これまでの児童生徒の学びに寄り添った授業実践において、「何が身に付いたのか」という学習評価の充実が課題となり、今年度から「学習評価を大切にした授業づくり」を副題に掲げ、明確な学習評価ができる授業づくりの研究を進めることとしました。令和4年度は、国語、算数・数学の各教科の授業を通して、学習評価の仕組みや学習内容を今一度見直し、子どもにつけたい力の到達目標やどの程度到達できたか判断する指標をはっきりさせることで、来年度の「生活単元学習」や「作業学習」などの「各教科等を合わせた指導」における評価内容の明確化につなげることを目指しています。

学習評価は、「児童生徒に何が身に付いたか」という学習の成果を的確に捉え、教師の指導の改善を図るとともに、児童生徒自身が自らの学習を振り返り、学びを実感し次の学習へ向かうために極めて重要なものです。さらに、これまで行われてきた学びの必然性、妥当性について見直す契機となるものでもあります。知的障害のある児童生徒の教育を行う特別支援学校の授業づくりをさらに改善し、児童生徒の成長につなげるため、研究を進めてまいります。

結びに、受賞したすべての学校・団体が、これまで以上に研鑽を積み、研究成果が県内各校の教育活動充実に資するよう努めることをお約束します。また、県内各校・各教職員の研究を支えるにとどまらず、ひいては本県が掲げる「有徳の人」づくりのために御尽力くださるはごろも教育研究奨励会の益々の御発展を祈念申し上げ、お礼の言葉といたします。

令和4年7月12日